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院内新聞から

口の中の細菌が、老人性肺炎を引き起こす?!

成人の口の中には、唾液1mlあたり1億個、バイオフィルム中には1gあたり1000億個の細菌がすんでいると言われています。手のひらにいる数千万、トイレの便器にいる数千万の細菌数と比べると、口の中がいかに細菌まみれかが分かります。

口の中の細菌は、唾液(だえき)オーラルヘルスと全身の健康と混ざって体内に入っていきます。そのまま飲み込むだけなら、胃酸によって細菌の多くが死滅します。ところが、何かのひょうしでむせたとき、お年寄りは細菌が唾液と一緒に肺に入ってしまうことがよくあります。すると、老人性の「誤嚥(ごえん)性肺炎」を引き起すのです。
高齢者の死亡原因の94%が肺炎で、むせた拍子に口の中の歯周病菌が肺に入ることで感染しているケースが多いと言われています。

口の中の歯周病菌の数自体が少なければ、仮にむせたときに唾液が肺に入っても、肺炎にならない、死に至らない可能性が高くなります。

歯周病の細菌を減らすには、物理的に汚れを落とすしかありません。それには、毎日のブラッシングと歯科医院での定期検診が有効です。3〜4ヶ月に一度、歯科医院で徹底的に清掃して、毎日のブラッシングで良い状態をキープすると、歯周病菌の数が少ないまま過ごすことができます。

歯周病菌は、肺炎の他、心臓病、早産、糖尿病にも悪影響を与えます。歯周病菌を減らすだけで、心臓病や糖尿病が改善したケースもあります。このような病気や症状が気になる方は、歯科医院で検診を受けてみてください。 

(加藤気白)

参考文献:「オーラルヘルスと全身の健康」
インターネットで"オーラルヘルスと全身の健康"で検索するとPDFファイルとしてダウンロードできます。ぜひお読みになってください。